越境EC運用の課題とは?

越境ECのビジネスモデルを考え、実際の運用に落とし込んでいくと、当社の例ですが、大きく分けて2つの課題をクリアする必要があると考えています。

1. 販売価格

2. 受注から到着までの納期

 

1つ目の販売価格については、前回のマーケティングデータの重要性でも触れたとおりです。

販売相手国の商品に対する需要、セラー数(ネット上の店舗数)を知り、最安値を知る事で対策が見えてきます。

最も安い価格を提示する事ができれば、あとは、それをどのようにしてユーザーに見てもらうか、

正しい広告運用と必要な予算設定でクリアできると思います。

 

次の課題は納期です。

 

当たり前の事かと思われますが、ユーザーが商品を購入し、それが手元に届くまでの期間が何日なのか?競争力に影響する重要なテーマです。

 

ご存知のとおり、国内通販ではAmazonプライムの登場によって

「今日注文した商品は、明日手元に届く」

このような最短納品が実現しています。

 

Amazonプライムのサービスは有料であるにも関わらず、多くのユーザーが加入している点から言っても、

納期がいかに重要であるか、お分かり頂けるとかと思います。

今日では、様々な物流サービスの登場によって、国内通販においては、ある程度、最適化されたと言えるでしょう。

 

では、越境ECの海外物流はどうか?と問われると、残念ながら、まだまだ最適化されていない、というのが実際に運用している私の感想です。

 

極論になりますが、対象国を問わず海外のユーザーへ商品を届けるには日本郵政のEMSを利用する以外、方法がありません(一部の例外は除きますが)

 

このEMSですが、配送国によって納期に大きな違いがあります。

 

日本からアメリカ、東アジア、東南アジアへ配送する場合は早いです。

国によって差はありますが、日本の税関を通過した後、約2営業日で相手国へ到着できています。

しかし、オーストラリア等のオセアニア地域、中東、ヨーロッパに発送する場合、とにかく時間がかかります。

当社が実際に配送している平均期間から言いますと、1週間以上かかっています。

 

当社も例外ではなく、購入頂いたユーザーから様々な問合せがきますが、その大半は「いつ届くのか?」です。

だいたい、購入日から4〜5日後ぐらい経過すると納期の問合せが来ています。

 

考えてみれば当然の事ですが、ネット通販における代金の支払いはクレジット決済です。

 

つまり、先にお金を払って、後から商品を受け取る運用が一般的です。

「お金を払った以上、1日でも早く手元に届かせたい」

誰もが考えると思います。それが高額な商品であれば尚更です。

 

しかし、いつまで経っても(5日間ぐらい待っても)買った商品が届かない、となればどうでしょうか?

それがストレスになり、販売店に問合せが入る事は仕方のない事だと思います。

 

当社は納期に対する課題を払拭させる為に、「当日受注、翌日到着」の物流フローを設計中であり、

海外物流企業との契約、自動化システム等、ほぼ、完成しました。

8月中には実装の予定で準備を進めています(実装後、改めてブログで詳細を書きたいと思います)

 

アメリカを例にして具体的に言いますと、

当日の12時までに注文頂いた商品は、その日の夜間に税関を通過し成田空港に運ばれ、翌日の朝にアメリカの税関を通過し、

その日の午後にユーザー宅に商品が到着する、という事が実現します。

 

まさに、当日出荷、翌日到着の完成です。

 

この最短納期の実現により、当社は3つのメリットが享受できます。

 

1. ユーザーストレスの払拭(満足度の向上)

2. 問合せ数の減少

3. 競争力の向上

 

1、2は、上述のとおりです。

早く到着する事によりユーザーの満足度が上がります。

ストレスフリーの納期によって問合せ数も減少するでしょう。

問合せ数の減少によって業務時間の短縮にも繋がります。

 

そして3の競争力です。

実は、当日出荷と最短納期の実現によって最もメリットが大きい点が、この競争力です。

 

当社ではGoogleをメインとして配信を行っている点は以前から書いているとおりですが、当日出荷の実現により、Googleからの評価が大きく上昇します。

当日出荷はGoogleの評価基準の一つとなっています。

 

当社ではGoogle shoppingを活用する「データフィード広告」を広告手法の一つとしていますが、ここにGoogleの評価基準が大きく影響します。

当日出荷=評価向上に直結しますので、同じ商品を販売する他のセラーより上位で商品を並べる事ができます。

上位に広告が表示されるという事は、それだけ多くのユーザーに商品を見てもらえるという事です。

 

さらに、今日注文すれば明日に届く、という事は、海外のユーザーから見ると、

自国内のセラーから買うよりも日本のセラーから買った方が早いし安い、

という事になります。

 

ここまで準備できれば、よほど競争力の無い商品でない限り、負ける要素はない、と言えると思います。

 

Google shoppingでは発送準備と納期を入力する項目があり、ここで入力された内容が、そのままフィード上に反映されます。

 

越境ECについては、これまでも、現在も、

 

・人口減少により国内市場は縮小していくので海外に目を向ける必要がある。

・海外には多くの需要と可能性がある。

・このモールに出品すれば海外向けに販売できる。

 

等、どちらかと言えば、戦略ではなく市場の背景と販売の方法論が議論されているかと感じています。

 

販売方法の選定も大変重要です。

しかし、販売方法が用意できた後の具体的な戦略こそが大事であり、それこそが成功要因の重要なテーマだと思います。

課題を発見し、払拭させなければ、海外への販売自体は実現したとしても、売上を伸ばすという面では難しいのではないでしょうか?

 

当社では、AsianPortal Fishingを通して自社で実務を行い運用する事で、様々な角度から課題を見る事ができました。

そして、課題が見えたからこそ、その具体的な対策を練る事ができます。

 

越境EC、インバウンド等、海外ビジネスを検討されている方は、販売方法(モールやカート)を検討するだけでなく、

その先の販売戦略に重きを置いて準備、検討されてみてはいかがでしょうか?

 

 

 

株式会社ASIAN PORTAL CEO 大谷 康平

日本の釣具メーカー300社、DAIWA,SHIMANOなど20万点の釣具を集結させた越境ECサイト「Asian Portal Fishing – Made in Japan Fishing Tackle」を開設しました。世界の釣り愛好家へ日本の釣具をお届けします。